令和3年度南郷高校ブログ
「世界農業遺産」国内第1号 佐渡島 3日目(まとめ)
佐渡視察3日目(まとめ)。
本視察は『「トキと共生する佐渡の里山」を学ぶ』というテーマで実施し,楽しく貴重な経験をすることができました。3日目は最終日となり,移動中に視察の振り返りを行いました。
今回の視察で訪れた「トキのテラス」「トキの森公園」「トキ交流会館」「田んぼアート」「小倉千枚田」また,佐渡を移動中に見えた田園風景,これらを見てそれぞれが感じたことは何かを考えました。
田んぼ周辺のきれいに刈られた草,農薬を使わない田んぼ,ビオトープ(生物の生息空間)の設置など,生物の多様性を保全する取組が多く見られました。世界農業遺産認定から10年が経過した佐渡。世界農業遺産という意識は島全体に広がっているように感じました。
大崎耕土は登録から3年。今後,大崎耕土「世界農業遺産」の保全や農業遺産という意識を広く伝えるために,高校生ができることは何かをみんなで考えていきたいと思います。
今後も大崎耕土「世界農業遺産」支援プロジェクトを進めていく予定です。活動は随時ブログに掲載していきます。
「世界農業遺産」国内第1号 佐渡島 2日目
佐渡視察2日目。
午前中は「佐渡金銀山」に関する学習をしました。
『きらりうむ佐渡』では,佐渡金銀山の歴史や砂金の取り方,鉱石から小判ができるまでの過程などについて分かりやすく学ぶことができました。また,この施設は佐渡金銀山遺跡の玄関口となっていて,周辺の歴史的な建物について紹介していました。
次に向かったのは『北沢浮遊選鉱場跡』です。ここは,鉱石を岩石と金に分離させる施設でした。鉱石処理量は,1ヶ月5万トン以上。「東洋一」とうたわれるほどの設備規模だったようです。その迫力と神秘的な姿に魅了されました。
午前中の最後には,ユネスコ世界文化遺産候補『史跡 佐渡金山』に行きました。掘り進められた山の中に入っていくと,当時そこで働いていた人たちがどのような様子だったのかを人形で表現していました。実際に金の延べ棒に触れ,持つこともできました。重さ約12.5kg,価値にして約9000万円。他では体験できない貴重な体験でした。
午後の最初は,『小倉千枚田』へ。棚田枚数63枚,耕地面積2.5haもの棚田は,とても美しい景観でした。最盛期には800枚以上の棚田があり,総面積約5.5haもあったそうです。美しい景観を守るため佐渡市や小倉千枚田管理組合などが主体となり保全・維持活動を行っているそうです。全ての棚田に水が行き届くように工夫された作りで「小倉千枚田」も世界農業遺産の重要な構成要素の一つとなっています。生徒たちも,山の斜面に作られた稲を見て興味津々。自分のカメラで多くの写真を撮っていました。
2日目の最後は『トキの森公園』へ。トキの飼育,繁殖を行っている施設で,飼育下のトキを見ることができます。トキの生態を観察したり,剥製,骨格標本などを見学しました。トキは顔が赤く,羽は薄いピンク色をしていました。野生では間近に見ることが難しいトキですが,飼育下だからこそ間近に見ることができました。
2日目は,世界文化遺産(候補)と世界農業遺産に触れ,充実した1日となりました。
次回,最終日(まとめ)のブログを掲載します。ぜひご覧ください。
全校集会
夏季休業が明け,全校集会が行われました。
集会前にはこれから大会が行われる陸上部と農業クラブの壮行式が行われました。
集会では,校長先生のお話の中でこれからの目標や頑張ることを各自で確認しました。
「世界農業遺産」国内第1号 佐渡島 1日目
佐渡視察1日目。
朝7時に学校を出発!バスとフェリーを乗り継いで,佐渡島に向かいました。初めての佐渡,初めてのフェリーに心を躍らせていましたが,台風が近づいていたこともあって舟の揺れに酔う人もちらほら。新潟港を出て約2時間後,15時過ぎに佐渡両津港に到着しました。
到着後は,野生トキ観察・展望施設『トキのテラス』に行きました。ここは,トキに関する知識を学べる施設でもあります。日本産のトキが絶滅後,中国から2羽のトキが贈呈され,飼育下で繁殖に成功しました。現在では,野生のトキは451羽と推定されています。
コロナの影響で,本来予定していた佐渡里山振興課・農家・佐渡総合高校との交流会は中止になってしまいましたが,『トキ交流会館』で佐渡総合高校の先生からお話伺いました。また,トキ交流会館前にはトキのねぐらがあり,ねぐらを出入りする野生のトキを見ることができました。
1日目の最後には,『田んぼアート』を見学しました。田んぼアートは,「人とトキの共生」という佐渡の農業の在り方を表現しています。ここで佐渡里山振興課の方から,多くの話を聞くことができました。
2日目の活動も掲載しますので,ぜひご覧ください。
大崎耕土支援プロジェクト「鳴瀬川流域調査③上流域」(令和3年8月5日)
7月14日の中流域調査に続き,上流域調査を行いました。
3回目(最終回)の今回は,石川先生,宮本先生,養護教諭の内海先生がサポート車両として協力していただき調査を行いました。前回スタートした大崎市三本木の館山公園から,上流に向かって自転車でスタートしました。この夏は猛暑で,当日も高温が予想されたため,自転車での走行距離は10km程度としました。
スタートしてしばらくは中流域と同じような田園風景が広がります。宮城県は大豆生産量が全国2位で,この地域でも転作作物として水田に大豆が栽培されています。また,加美町に入ると,水田や,河川敷で長ネギの栽培が多く見られました。加美町では河川敷を運動公園や貸し出しと思われる家庭菜園として利用されていました。そんな風景を見ながら1時間強走ると,自転車のゴールである上川原頭首工(堰)に到着しました。上川原頭首工は鳴瀬川本流と加美町宮崎からくる支流の田川の合流地点の少し下にある堰です。この頭首工は近隣の農業用水の取水の他に,カヌー競技場が整備され大会が開かれています。非常に景色が良く,加美富士と呼ばれるやくらい山撮影にぴったりのスポットです。ここで小休憩を挟みました。
次に,次の見学先である「農家民宿花袋・天王」にワゴン車で向かいました。こちらでは,農家民宿ならではの季節の野菜をいただきながら,宿主の加藤重子さんのお話を伺いました。料理の素材のほとんどが自宅の畑で採れたもので,わさびご飯などに生徒も舌鼓を打っていました。その後,加藤さんに民宿近くの「やくらい山葵(わさび)園」を案内していただきました。「やくらい山葵園」は,民宿近くに湧き水が出ることを加藤さんの旦那さんが県内の建設業者の社長さんに話したところ,その建設会社の出資でコンテナ栽培という方法で生産が始まったものだそうです。山葵田(わさびだ)は遮光してあり,15℃前後の湧き水がためられており,非常に涼しい環境でした。1年半で15cmほどの山葵に成長するそうです。
次に蝉堰を見学しました。蝉堰は鳴瀬川の最狭部に1640年代(江戸時代)に作られた堰で,鳴瀬川の水を60m以上上の水田に上げるための難工事だったそうで,なかなか通水せず,工事責任者の子供を人柱にして成功を祈願したそうです。今回,この堰を研究しているNPO法人「石母田ふる里保全会」の代表渡辺哲さんに手彫りの隧道(トンネル)を案内していただきました。隧道の入り口は崖の下で,個人で行ってわかるような場所ではありません。中は人の背丈ほどの高さで,幅は1m程度という狭さです。暗闇の中をヘルメットをかぶり,ヘッドライトをつけて入りました。中は非常に涼しく,2匹のコウモリにも遭遇しました。人の手で掘られたものとはとても想像できませんでした。現在は内部が崩落しているため,十数年前にできた新しい蝉堰が運用されています。
最後に,上川原頭首工にもどりカヌー体験をしました。晴天が続いていたため,水深は浅かったのですが,初めてのカヌー体験を楽しむことが出来ました。
以上で,3T野菜班の鳴瀬川調査は終了です。ご協力いただいた,ご家族の皆さん,先生方,3回にわたり有意義な経験をすることが出来ました。ありがとうございました。
館山公園をスタート 河川敷の大豆畑と堰
河川敷に広がる長ネギ畑 上川原頭首工でやくらい山をバックに
上川原頭首工で小休止 花袋・天王での昼食
わさび園の見学 蝉堰隧道の入り口
隧道の中 渡辺さんの説明
カヌー体験 集合写真
ありがとうございました